冬の花・シクラメンを来年も咲かせる育て方
クリスマスシーズンにいただくことも多い鉢植えのシクラメン。来年も咲かせられるように一年の管理方法をご紹介します。

こんにちは、ガーデンプラスの中川です。
早や11月も半ばを過ぎ、紅葉がますます冴えわたると共に落ち葉も増えてきましたね。お掃除は大変だろうなと思いつつ、いつもの道が赤や黄色の葉で彩られるのを楽しみに見ています。
今回は季節を先取りし、クリスマスシーズンの話題です。
ショッピングモールではもうクリスマスの飾りつけが始まっていますが、ポインセチアやシクラメンといった鉢植えも出回る季節ですね。クリスマスならではの色味に、部屋に飾られる方も多いと思いますが、シーズンが終わったらどうされていますか?
今回のブログでは、これからお家に飾ったりプレゼントにいただく機会も多い「シクラメン」の一年間の管理方法をご紹介します。来年も花や葉を楽しめるよう、夏越しに挑戦してみましょう。
鉢植えシクラメンの管理方法
シクラメンは、サクラソウ科シクラメン属の植物です。ハート型の厚みのある緑の葉から花首が伸び、モクレンやコブシのようなうつむきがちな花を咲かせます。鉢植えとして長く愛されている理由のひとつが、開花期の長さにあります。10月~4月まで次々と株元からつぼみが立ち上がってくるほか、1つの花が咲きだしてから萎れるまでの長いので、冬中楽しんでいただけます。
花色は赤やピンク、白が基本ですが覆輪やしぼりの入ったもの、黄色や青といった色も登場しました。
・鉢植えの間のお手入れ
クリスマスに出回るシクラメンですが、鉢植えになっているシクラメンは寒すぎても暑すぎても調子を崩してしまいます。冬は基本的に室内で管理しましょう。生育に適した気温は10℃~18℃ほどで、暖房の効いたリビングより、少し温度の低い玄関や窓辺に飾るほうがおすすめです。日当たりも良い方がいいので、日陰に飾る場合は日に当てる時間を作りましょう。花をつけっぱなしにしていると種を作ってしまうので、咲き終わったら茎と共に引き抜き、枯れた葉も抜いてしまいます。
シクラメンは根本が濡れるのを嫌うため、底面給水といって、受け皿に水を張って、シクラメンが好きなだけ根から水を吸収させる水やり方法で管理しましょう。上の写真は底面給水用の鉢に植えられていて、水をためる皿部分が鉢とぴったりのサイズに作られているので飾っていてもスマートです。根本ではなくお皿に注水口がついているので、株を濡らさずに水やりできてシクラメンにはもってこいの鉢です。鉢植えを購入される際にも、底面給水用の鉢を使っていると管理しやすいですね。
・夏の過ごし方
3月中旬くらいになると、日当たりのよい戸外で雨に当てないように管理します。ただ10℃を下回るときは、室内に取り込みます。梅雨時期からは雨に当てないように明るい日陰で管理します。3月頃から葉が黄色く落ちはじめますが、まだ元気な緑の葉がある場合は夏の間も休まず水をやりつつける「非休眠法」で夏越しさせます。緑の葉が全部落ちてしまったら、水をやらずに球根を休ませる「休眠法」にしましょう。どちらも涼しい日陰で管理します。
9月頃から葉が出てくるので、再度日当たりのよいところへ移します。
次のシーズンにしっかり育てるためには根本の球根の頭頂部が日に当たるようにしなくてはいけません。そこで葉が茂るようになってきたらシクラメン独特のお手入れ方法「葉組み」を行います。中央の葉を外側の葉に引っ掛けるようにして組み、株元を露出させる方法です。開花期にも小さなつぼみが株の根元に隠れているので、葉組をすると次のつぼみが上がってきてくれます。
・植え替え
9月上旬から中旬にひとまわり大きな鉢に植え替えます。根鉢はあまり崩さないようにしましょう。株本に球根が見えますが、上述した通り、球根を日に当てないとしっかり株が育たないので、土で覆わないようにします。
・病害虫
10℃以下の寒さや湿気に弱いので、冬の雨や水をやりすぎた場合は灰色かび病が発生します。また球根植物のため、高温多湿な環境では球根が腐る「軟腐病」にかかります。風通しをよくして防ぎましょう。
また高温で乾燥しすぎると、シクラメンホコリダニやウイルスを媒介するスリップスが発生しやすくなります。夏の間は日陰で管理すると発生を抑えられます。
外に植えるなら「ガーデンシクラメン」
シクラメンは寒すぎるのも暑すぎるのも湿気も苦手と書きましたが、花壇に植わっているのを見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は、戸外でも育てられるようにシクラメンを品種改良したのが「ガーデンシクラメン」。実は日本の生産農家さんが作り出した品種です。通常のシクラメンよりは幾分小ぶりですが、寄せ植えにも使いやすいサイズで、1996年より流通が始まった比較的新しい花です。
室内用の「シクラメン」や小型の「ミニシクラメン」とはまた別種なので、購入時は注意してくださいね。
開花期が長く、春まで花が次々咲いてくれるので、花の少ない冬~春の花壇のメインとなるお花です。問題の耐寒性ですが、ガーデンシクラメンは-5℃まで耐えることができます。やはり多湿は嫌うため、植え付け直後は土が乾いたら水やりをし、根づいたら雨水のみでもOKです。また霜が降りるほどの気温や夏の暑さには弱いため、落葉樹などの庭木の下や軒下への植え付けがおすすめです。
葉が枯れると球根が休眠状態に入ります。植えっぱなしでも構いませんが、水はやらずに土中の球根が乾いた状態を維持するようにします。葉が落ち切ったあとに球根を掘り上げて涼しいところに保管し、9月頃にまたポットやお庭に植え付けてもOKです。球根が固く締まっていれば、まだ生きている可能性があります。
お庭への直植えよりも寄せ植えの方が管理は簡単ですね。ビオラ・パンジーといった冬の植物と合わせても、ランのように独特の質感があるシクラメンの花は存在感があります。乾燥に強い葉ボタンなどと組み合わせて、水やりの頻度を少なめに管理すると良いでしょう。
余談ですが、私の母は布施明さんのファンで(父は残念ながら布施明さん似ではありません…)、もちろん代表曲の「シクラメンのかほり」も冬になると良く口ずさんでいます。
歌詞にもでてくる「紫のシクラメン」ですが、当時は紫色の花も香りのある花もなく、歌がヒットしてから改良品種が作られたそう。松田聖子さんのヒット曲「赤いスイートピー」も、歌がヒットしてから赤い色のスイートピーが作られました。生産農家さんの情熱を感じますね!
今年のクリスマスにシクラメンを手に入れられた方は、ぜひ夏越しに挑戦して、来年も素敵な花を咲かせてくださいね。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。シクラメンと並ぶ人気種のポインセチアも夏越しできます!耐暑性のある品種を選んで、チャレンジしてみてください。
ガーデンプラス本部
Web担当
中川知春
お客様の目線に立って、お庭の楽しみ方や情報をお伝えしていきたいと思います。