野趣あふれる愛らしさが魅力・育てやすい果樹「ラズベリー」
ブルーベリーと肩を並べるほど育てやすい果樹・ラズベリーをご紹介します。

こんにちは、ガーデンプラスの中川です。
9月に入ってから私の家の周りではぐっと暑さが和らぎ、夕方には虫の声が聞こえる秋らしい気候になってきました。皆様がお住まいの地域はいかがでしょうか?
秋といえば実りの秋・収穫の秋ですね!お家時間を利用して家庭菜園を始めた方も多いと思います。ガーデンプラスのエコプロジェクト・プラントプランでも、毎月多くのお客様からレモンやブルーベリーなど、果樹の苗木をご希望いただきます。
今回は人気のブルーベリーと肩を並べるほど育てやすい果樹「ラズベリー」をご紹介します。冷凍食品でもラズベリーを見かけることが多くなってきましたが、お庭で栽培しやすい改良品種が増えてきましたので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
ラズベリーはキイチゴの仲間
ラズベリーの実を見て、昔遊んだ野原にこんな実があったような・・・? と思う方もいるかも知れません。ラズベリーとはキイチゴ(木苺)の一種で、バラ科キイチゴ属に分類される落葉低木のつる植物です。
キイチゴは文字通り「木になるイチゴっぽい実」の総称で、実は品種がたくさんあり、アジアからヨーロッパ・米まで広く分布しています。日本でもモミジイチゴやクサイチゴといったキイチゴ属の木が70種ほど自生していて、野鳥や動物の貴重な食糧となっているんですよ。有名なヘビイチゴはキイチゴによく似ていますが、バラ科キジムシロ属の草本類です。
キイチゴの中でもフルーツとして交配が進んだのが、ラズベリーとブラックベリー。ほとんど同じ見た目でどちらも栽培しやすいのですが、ラズベリーは実に産毛があり、中が空洞なのが特徴。ブラックベリーはやや小粒で甘みが強いのですが、トゲが鋭いのでお子様のいるご家庭では少し注意が必要です。
どちらもアントシアニンなどの栄養が豊富で、見た目もとても可愛らしいのでお菓子にも人気ですね。実は生の状態での長期保存に向かないため、日本では輸入された冷凍ラズベリーが流通しています。
ラズベリーの特徴と品種
他家結実性品種の多いブルーベリーとは異なり、ほとんどのラズベリーは自家結実性で1株でも実がなります。また無農薬栽培が可能なほど、病害虫もあまりつかないところも家庭菜園向きです。お庭に根付けば、水やりも雨水のみでいいので特別なお手入れが要らない果樹です。葉っぱもいちごによく似ていてとても可愛らしく、葉陰から赤い実がぶらさがっている様子も愛嬌があります。童話に出てくるような見た目は、野趣あふれるナチュラルな美しさを感じさせますよ。
ラズベリーを初めて植えるなら苗木から育てましょう。もともと冷涼な気候を好む品種のため、日本ではあまり栽培が進みませんでしたが、品種改良によって暑さに強い品種も作られるようになりました。園芸店やホームセンターで苗木を買う際には、お住まいの地域に合わせて、耐暑性・耐寒性に強い品種を選んでください。トゲはありますが、ブラックベリーはより暑さに強く暖地向きです。
その他品種によっては、果実の色(赤の他、黄色や黒もあります)や大きさ、トゲの少なさ、二季なりといって1年に二度実をつける性質を持つものもあります。黄色のベリーや黒のベリー(ブラックベリーとほとんど見た目が同じですが、ブラックラズベリーといいます)も色鮮やかで可愛らしいですよ。
代表的な品種は
・ヘリテージ
二季なり・直立性・安定してたくさん収穫できる・暑さに強い
・インディアンサマー
二季なり・直立性・横に広がるように伸びる
・ジョンスクエアー(R)
二季なり・とげなし・大粒
・ジョイゴールド
黄色のラズベリー・二季なり・大粒・触感がよい
・ブラックキャップ
黒いラズベリー・一季なり・甘くコクがある
といったところでしょうか。お子様のいるご家庭はトゲがない品種や、あっても少ないものやトゲの小さなものを選ぶと安心ですね。
家庭菜園で育てるには
樹高は大体1.5mくらいまでの低木がほとんどですが、つる性・半つる性なので、支柱やネットを立てるか、メッシュフェンスなどに沿って生垣のように植えるのもおすすめです。日当たりと水はけのよいところが好きですが、西日ほど強い太陽光には弱いので、午前中は日が当たるようなお庭がベスト。落葉低木で、冬には葉を落とします。
また鉢植えでも育てることができます。朝顔鉢に使われるような行灯仕立て用支柱や、バラに使うオベリスクを使うとつるを支えやすくバランスがとりやすいですね。ラズベリーは地下茎で増えるため、お庭で増えるのは困るという方は、鉢植えやブロックで囲まれた花壇で育てることをおすすめします。
バラ科なので土は通常の配合のものでOKですが、水もちや水はけをよくするために、腐葉土や赤玉を混ぜるとより効果的です。
また枝にもバラと似た性質があり、今年実をつけた枝は来年実をつけないので、実を収穫したら早めに枝を根元から切って春に新枝を伸ばすようにしましょう。
花は少し地味なのですが、いちごの花によく似ていますね。小さな雌しべの根元がひとつひとつ膨らんで実となっていきます。開花期は4~5月頃、収穫は6月~7月ごろで、完熟した実をガクから取り外すように摘みます。二季なりの品種は9月~10月ごろにももう一度実をつけてくれます。
主な病害虫は、湿度が高いときに果実に出る「灰色かび病」と、木につく「カイガラムシ」です。灰色かび病にかかった実は取り除きます。カイガラムシはあまり有効な薬剤がないため、物理的な駆除が一番早いです。見つけたら歯ブラシなどでこそげ落とすようにしましょう。ハダニやアブラムシがつくこともあるので、家庭菜園用の除虫スプレーを用意しておくと便利です。
可愛らしい実がなるラズベリーは、果樹の中では育てやすく丈夫な品種です。またフレッシュなラズベリーを食べられるのも家庭菜園ならでは。冷凍ものにはない香りが楽しめます。ぜひお庭でチャレンジしてみてください。
またガーデンプラスのエコプロジェクト・プラントプランでは、外構工事をご依頼いただいたお客様へ、ご家庭でも育てやすい果樹の苗木を記念樹として贈らせていただいています。お庭の工事をご検討中のお客様は、ぜひこちらも見てみてくださいね。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。小さい頃、近所の空地で野生のヘビイチゴを見かけたときには「ヘビが出るんだ!」と行くのを怖がっていたのも、今ではよい思い出です笑
ガーデンプラス本部
Web担当
中川知春
お客様の目線に立って、お庭の楽しみ方や情報をお伝えしていきたいと思います。