グリーンカーテンづくりのポイントとおすすめの植栽
蒸し暑い日本の夏!つる植物を美しく茂らせて、涼しいお庭を作りませんか?

こんにちは、ガーデンプラスの中川です。
雨や曇りがちな日が続き、本格的な梅雨のシーズンといった感じですね。雨の止み間には強い日差しが降り注ぎ、夏がすぐそこまで来ている気配です。
ヨーロッパや北欧のような冷涼な気候ですと夏は日光浴の季節なのですが、やはり高温多湿なアジアや日本では、陽射しはできるだけ避けたいもの。外構工事でも、夏のシーズン前にはテラス屋根やシェード設置のお問合せをよくいただきます。
今回は、夏の間だけ手軽に日陰を作ることができるグリーンカーテンのポイントと、グリーンカーテン向きの植栽をご紹介します。日本では夏の間のエコな日除けとして浸透しているグリーンカーテンですが、実は海外ではまだあまり導入されていません。四季の変化に富んだ日本ならではの発想なのかも知れませんね。
最近は苗とともにネットや支柱もセットで売られていて、お庭はもちろんバルコニーやベランダでも楽しめるようになりました。これからチャレンジする方も、今年は立派な大きさのカーテンにしたいという方もぜひご一読ください。
グリーンカーテンをきれいに作るポイント
1.葉が柔らかく、分かれていて、実が重たくない品種を選ぶ
まずはどんな植物でカーテンを作るかを考えてみましょう。実は夏によく茂るつる植物は意外に多く、園芸店でも様々なものが売られています。夏の間だけの設置なら、冬越しできない一年草タイプが片付けもしやすくおすすめ。また葉の形にご注目ください。あまり厚みがあるとカーテンの内側が暗くなり、風を通さなくなってしまいます。柔らかく、できればカエデのように葉が分かれているタイプは日を遮りつつも風を通して涼し気です。また綺麗にネットが葉を覆うようにするなら、花や実にあまり重みのないものがおすすめです。
2.プランター栽培なら十分な深さのあるものを使う
地植えではなくプランターでつる植物を育てる場合は、地上部の方が大きくなるので、根もしっかり張れるように深めのプランターを選びましょう。グリーンカーテンは葉の裏からの蒸散作用によって気化熱で内側を涼しくしてくれます。葉が多いということは、水分の蒸発量も多いということ。土の量の多いプランターなら栄養分や水分もしっかり補うことができますので、植物もたくさん水分を吸い上げることができます。また夏の日本には台風がつきものですが、深めのプランターなら重さがあり強風時に転倒する危険が少なくなります。
3.摘芯する
植物には頂芽優勢という性質があるため(中央の茎や枝を伸ばす性質)、つる性の植物も放っておくと縦に伸びるばかりでスカスカのスリット入りカーテンになってしまいます。できるだけ脇芽を作り、横に葉が伸びていくように、ネットに絡ませられるようになったら一番伸びた中央の芽を摘む「摘芯」を行いましょう。また夏の初めに出来た花は株を疲れさせてしまうので、勿体ないですが早めに摘み取ってしまい、エネルギーは葉を茂らせるのに使うようにしましょう。
4.暑くなったらハダニに注意
よく葉が茂るつる性植物は、風通しが悪くなるとハダニが発生することも。あまり葉が重なるようでしたら剪定して、風通しをよくしておきましょう。ハダニは水分に弱いので、水やりをする際に、葉に水をかけるようにするとある程度防ぐこともできます。
それでは、上記ポイントを踏まえて、グリーンカーテン向きの植物をご紹介いたします。
ゴーヤ
沖縄の作物であるゴーヤ(苦瓜)は、本州でも夏の暑さでぐんぐん生長する植物。手のひらのように分かれた葉は厚みもなくよく茂ってくれるので、葉が重なっても涼やかなグリーンカーテンを作ってくれます。病害虫にも強く、夏の間に出来たゴーヤも食べられます。通常のゴーヤは結構重みがあるので、こぶし大ほどの小さめのゴーヤがなる品種を選ぶとカーテンも乱れずに収穫も楽しめるでしょう。
シカクマメ
こちらも実は沖縄の野菜で、「うりずん豆」とも呼ばれています。夏の間はよく生長してフェンスやネットに絡みつくので、グリーンカーテンを作ることができます。豆類は春頃に花が咲くイメージですが、シカクマメは8月頃にスイートピーのような美しい花が咲き、その後独特の四角いかたちのサヤをした実をつけます。きぬさやのようにさやごと食べられます。
パッションフルーツ
南国の果実の中では最も香りが良いと言われるパッションフルーツ。つる性の果樹で、夏にはフェンスを伝って枝葉を伸ばします。葉はやや肉厚で大きく、観葉植物のような風情も。南国の品種のため、秋になったら枝を落として暖かいところで冬越しさせれば来年も枝を伸ばしてくれます。
パッションフルーツはトケイソウの仲間で、花もトケイソウによく似ています。もちろん果実も収穫でき生食も可能ですが、ジャムやジュースで楽しむのもおすすめ。グリーンカーテンを作るなら、苗も初めから大きめのものを選ぶとよく生長してくれます。
フウセンカズラ
ゴーヤよりも繊細な印象のフウセンカズラ。葉は小さめですがどんどん茎が伸びてくるので、軽やかながら密に茂ってくれます。可愛らしい花が咲き終わると、ふんわりと膨らんだ風船のような実が生ります。外側の風船が赤くなると、中の種も熟した証拠。種をとっておけば、来年また種を撒いて育てることができます。実の中の種のデザインがとても可愛いので、ぜひ観察してくださいね。
沖縄スズメウリ
こちらも沖縄の植物で、実がとても可愛いウリの仲間。葉はゴーヤに似てやや肉厚でしっかりしています。小さな黄色い花が咲き、その後特徴的な白い筋の入った丸い実がころころとなりだします。熟すと赤くなり、グリーンカーテンのアクセントに。そのままにしておくと乾燥して土の上に落ち、来年はこぼれ種から発芽してくれます。
朝顔
日本の伝統的なグリーンカーテンといえばやはり朝顔。流通している朝顔は、日本アサガオ・琉球アサガオ・西洋アサガオの3つが主流です。日本アサガオは朝早くに咲き、やや小ぶり。琉球アサガオは沖縄にも自生できるほど強健の宿根性で、暖地であれば茂ったまま冬越ししてしまうことも。夏の間だけ楽しみたいなら西洋アサガオがおすすめです。午前中は咲き続け、日本アサガオよりも旺盛に葉が伸びるので、テラスの広さをカバーするのにおすすめ。ユウガオや日本アサガオと混植して一日中花が楽しめるカーテンにチャレンジしてもいいかも知れません。
いかがでしたでしょうか?
熱中症対策のために夏はエアコンが欠かせなくなってきましたが、グリーンカーテンを併設することで陽射しによる室内の温度上昇を抑えることができ、エアコンで使う電力を節約することにもつながります。予報では今年の夏も関東から中日本、関東地方は猛暑の予想となっていますので、ぜひ今からグリーンカーテンの準備を進めていきましょう!

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。今回紹介した以外にもつる植物にはたくさんの品種があります。日陰を作るだけでなく、花や実も楽しめるグリーンカーテンを作りましょう!
ガーデンプラス本部
Web担当
中川知春
お客様の目線に立って、お庭の楽しみ方や情報をお伝えしていきたいと思います。