初めての人に知ってほしいバラの特長と選び方
バラは難しい…と思っている方へ、初心者の方向けの管理のポイントや品種の選び方をご紹介します。

こんにちは、ガーデンプラスの中川です。ついに2月に入り、陽射しに温かさを感じるようになりましたね。
前回は私の庭の梅の話をしましたが、今回もお庭に植えている植物「バラ」をご紹介します。といっても、バラはそれこそ専門の園芸店さんがたくさんあり、育て方の本も出ていますので、今回のブログではバラを育ててみようか迷っている方へ、知っておきたいバラの特性や品種の選び方ポイントをまとめてみました。
バラ栽培には覚悟がいる
庭でバラを育てていますと言うと、「バラって難しいんでしょ」とよく聞かれます。育てて3年、正直な感想は「それなりに育ちます」ということでしょうか…。毎シーズン花を咲かせてくれますが、やはり手入れが行き届いていないようで、バラ園ほど美しくたくましくは育っていません。私が苗を買い求めたナーセリーの方に聞いてみたときも「初心者の方が難なく育てることもあるし、経験者でも調子を落とすときもあるんだよね」とおっしゃっていました。
まずバラを育てるときに覚悟しておかなければならないことは3つです。
・トゲがある
・病害虫が多い
・肥料がいる
もう気持ちが萎えた…という方へ、まだ続きがあるのでぜひ読んでください!
1.トゲがある
トゲがある植物、皆さんは育てたことがありますか? 何が困るかというと、花ガラを摘んだり剪定するときに手を痛めやすいです。また普通のビニール製ごみ袋で捨てようとするとトゲが突き破ってきたりします(私は細かく裁断するか厚めの紙袋に包むようにしています)。特に剪定はバラを育てるときに必要な作業なので、ガーデングローブなどを用意してください。
また品種によって、トゲの多い・少ないがあります。上の写真は私の庭で育てているバラの茎です。左のバラはトゲが大きいですが、数は右の方が多いですね。扱いやすいのは左のバラの方です。
最近ではトゲが少ない品種もたくさん出ています。つるバラでトレリスやアーチ仕立てに挑戦してみたい方は、トゲも選ぶポイントにしてみてはどうでしょうか。
2.病害虫が多い
バラ専用の薬剤があるほど、バラは罹る病害虫の種類が多いです。うちも梅雨以降は必ず黒星病というカビの病気にかかります。プロの方でも、バラのお手入れの際には殺虫・殺菌スプレーを携帯されるそうです。
最近では「病気に強い」のも品種改良のポイントとなっていて、耐病性のある品種も増えました。ところで「病気に強い=病気に罹らない」ということではなく、「病気に罹っても花が咲く」「罹っても枯れるほど弱らない」ということです。ですので、病気に強い品種だからといって、病気や虫の防除が不要なわけではありません。バラは冬になるとばっさり枝も葉も切り戻して、リフレッシュさせることができるのも特長です。こまめに様子が見られないという方は、耐病性のあるバラを選んでください。
3.肥料がいる
バラの肥料は少し配合が特殊なので、専用の肥料を用意してほしいです。頻度はというと、私が苗木を譲ってもらった農家さんに聞いたところ、「花が咲き終わったらひとつかみほど撒く。シーズンが終わったらもうちょっと撒く」という、アバウトで覚えやすいものでした。隣家で見事なバラを育てている方にも聞いてみましたが、ほとんど同じでした。肥料を忘れると、どうなるか…簡単に言うと、次に咲く花が小さかったり少なかったりします。花を長く楽しみたいなら、適度な肥料を与えましょう。
どうでしょうか…覚悟がいる、と思っていたバラも「挑戦してみようかな」と思ってもらえたでしょうか?
次は、バラを探してみようと思った方へ、品種を選ぶ際のアドバイスです。
四季咲き性を選ぶ
バラの開花は5~6月ですが、「一季咲き」のものと「四季咲き」「返り咲き」に大きく分かれます。秋まで長く楽しみたいなら、四季咲きや返り咲きする品種を選んでください。通常の草花の四季咲きというと春と秋の2回が多いですが、バラは条件が合えば夏も繰り返し咲き続けてくれます。どちらかといえば四季咲きの方が、返り咲きよりも花の数が多いようです。
庭に植えるなら中輪・小輪の房咲きもおすすめ
バラは花の大きさによって大輪・中輪・小輪と分かれます。花ひとつだけを見ると、もっとも豪華なのは大輪バラですが、庭で他の植物とも合わせたいなら、中輪や小輪で房咲きのものもおすすめ。一枝にたくさんの花がつき、お庭を埋めてくれますので、背景としてもお使いいただけます。また大輪ほど花にエネルギーが要らないので、次々咲いて開花期が長いのもポイントです。
花が長持ちする
バラによってすぐ散ってしまうものと長持ちするものがあります。特に長持ちする花では色変わりするものもあり、咲き始めと咲き終わりで2色の花が楽しめるような品種もあります。上の写真は育てやすいつるバラで有名な「サハラ98」。アプリコットオレンジからピンクへと変わっていきますが、次々と開花するため、咲き始めと咲き終わりの花を並べて鑑賞することができます。
好みの香り
バラといえば香りの良さでも優秀な品種ですが、強い香りのものもあれば微弱なものもありますし、フルーツ香・ダマスク香・ティー香と香りの系統も色々です。帰宅が遅いという方は、色を楽しむかわりに香りのよいものを選んでもよいかも知れませんね。
木の形
バラの形は「木立性(ブッシュ)」「つる性(クライミングローズ)」「半つる性(シュラブローズ)」の3種類が基本です。コンパクトに育てたいなら樹高が小さめの木立性、アーチやフェンスに絡ませたいならつる性のバラを選びましょう。半つる性とは、短く剪定すれば自立し、長くすればフェンスなどに絡ませられるいいとこ取りの品種です。その他、直立性・横張り性など伸び方にも特長があるので、植えられたお庭の写真などを見ながら探すといいですよ。
苗選び
バラは接ぎ木や挿し木で増やされますが、よく出回るのが「新苗」か「2年生苗・大苗」です。初めての方なら、10か月以上農家さんが育てた「2年生苗」や「大苗」がおすすめ。丈夫に育てられているので、植え替えても勢いがあります。春頃出回る「新苗」はその前年に作られ、冬を越したばかりの苗。価格もは安いのですが、まだまだ苗木の状態です。その分種類が多く手に入れやすいので、欲しい品種がある方や上級者におすすめですよ。花が既に咲いている苗も、2年生苗なので大丈夫です。
いかがでしょうか。品種はたくさんあって悩んでしまいますが、育てやすい・管理しやすい・楽しめるためのポイントを考えれば、品種はだいぶん絞られてきます。その中で好みの色や花の形のものを選ぶと、うまく付き合っていけると思います。もちろんお庭に植えるだけでなく、コンパクトなサイズのものであれば鉢植えでも十分花を咲かせてくれますよ!
ところで、バラという植物は世界で最も品種改良が進んでいます。私から言わせると、こんなに人の手が加わった植物が、育てにくいはずがないと思うのです…。そして咲いたときの華やかさは、やはり他の花とは段違い。手間をかけなくても咲きますが、うまくバラのご機嫌を取りながらたくさん花を咲かせるのがバラ栽培の醍醐味だからこそ、「難しい」と言われるのかも知れないですね。

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ガーデンプラススタッフでも育てている人が多いバラ。1輪咲けば虜になること間違いなしですよ!
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中川知春
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