華やかなのに手間のかからない虹色の花「ジャーマンアイリス」
花が大きく色が豊富、暑さ寒さに強くほとんど病気にならない…才色兼備なジャーマンアイリスは今が植え時です!

こんにちは!ガーデンプラスの中川です。これまでのブログの中で何度か自分の庭で育てた物をご紹介してきましたが、実は私は庭付きの借家に住んでいまして、前の住人が残していった植物を見つけるのが密かな楽しみです。何年もそこで育ってきた花や木は、丈夫で美しく咲いてくれるからです。しかし見たことのない植物が植えられていることもしばしばあり、育つまで何か分からないのですが、今回ご紹介するジャーマンアイリスとの出会いも衝撃でした。
以前から土の上に乾燥した球根が転がっているなあと思っていたのですが、どんどんと個性的な葉を伸ばして、4月末にはこんなのが出ました。
ものすごく豪華です。こんなに大きいのにつぼみがまだまだついています。
花を画像検索して、ようやくこれは「ジャーマンアイリス」というのだ、ということが分かりました。それから育て方や品種を調べ、今ではぜひお庭に増やしたい植物のひとつとなっています。開花期は5月頃ですが、今がちょうど秋植えのシーズンですので、気に入ったらぜひ育ててみてください。
ヨーロッパ・アメリカで交配が進む「虹の花」
ジャーマンアイリスは、1800年代から地中海沿岸や小アジア原産の何種類かのアイリスを交配して出来た品種。日本ではヨーロッパで初期に作られたゲルニカ種が入ってきたので、ジャーマンアイリスと呼ばれるようになりました。今ではヨーロッパやアメリカ西海岸でも盛んに交配されています。ほかのアヤメ属と見分けるポイントは、花びらの付け根のブラシ状の毛です。この毛のために「髭アイリス」と呼ばれることもあります。
ジャーマンアイリスはまず花の色の多さ、豪華さが魅力です。もともと「Iris」とは虹を意味する言葉で、アヤメ属の花はグラデーションがかった花色が得意。中でもジャーマンアイリスは長い間園芸品種が作られてきた成果で、ない花色はないと言われるほどの花色の多さを誇ります。内側の2枚は立ちあがり、外側の3枚は垂れ下がるアヤメ属独特の花びらは波打って豪華なフリルに。高さも出るので、大きなお庭でも存在感があります。
また暑さ・寒さのほか、乾燥にまで強いことが特徴です。そのため、水やりや肥料をこまめにしなくてもよく咲き、逆に手間をかけすぎると軟腐病といって根っこが腐ってしまう病気にかかるほど。我が家の庭でも乾いてダメになった球根かなと思って何もしていませんでしたが、立派に咲きました。
病害虫にも強く、目立った害虫はアブラムシ程度です。高温多湿にならないよう、風通しのよいところ、水はけのよい土(多少石が混じるようなところでもOK)で管理し、傾斜地などにもおすすめです。
植え方・育て方
ジャーマンアイリスの開花期は5月~6月で、春に植えてもその年咲いてくれます。しかし春咲き宿根草の多くがそうであるように、秋に植えて冬の間に株を安定させるのがおすすめ。ジャーマンアイリスも8月~10月の間に植えると、翌年の花がより豪華です。
ジャーマンアイリスは山芋のような塊根を割って増やすのですが、園芸店では掘り上げて割られた状態で売られています。アイリスは横に伸びる性質があるため、土にも横たえるように植えます。その時重要なポイントが、深く植え付けないこと。乾燥を好む気質のため、深く植えると腐ってしまうのです。横に広がっていく性質を生かして、ボーダー花壇やアプローチ沿いなどに植えるとうまく納まると思います。
植え付けましたら水のやりすぎに注意しながら春の成長を待ちます。冬に吹きさらされている姿があまりに乾燥してるので、大丈夫なのかなと心配になりますが、春になると剣のような葉が出てきますよ。
大きな花の割に開花期も長く、つぼみも次々につきます。上の写真は終わった花の間から、もうひとつつぼみが出てきたところ。肥料切れにならないのかと思いますが、春先と秋の二回だけ与えれば、開花中は要りません。花が終わったたら花ガラを摘み、最後に花茎ごと切ったらシーズンは終わりです。個性的な葉は残りますので、オーナメンタルグラスとして楽しめそうですね。
最後に、まだ育てるのを迷っている方へ。ジャーマンアイリスは、アヤメ属の魅力でもある芳香も備えております。これだけ大きな花をつけて香りもよく育てやすい花というのは珍しいのではないでしょうか。品種によって香りも異なるので、何種類か育ててみたくなりますよね…!今では70cmぐらいの大きなサイズから、40cm未満の小さなサイズの品種もありますので、ぜひ鉢植えでも挑戦してみてください。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。秋まき・秋植えのためにも、ひどい台風や残暑が来ないようにみんなでお祈りしましょう…!
ガーデンプラス本部
Web担当
中川知春
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